5/04/2009

Authority 出典,典拠,権威の信頼性

Peter Morville on the issue of
validity, trust and “authority”:
http://semanticstudios.com/publications/semantics/000057.php

2005年10月のAuthority についてのコラムです。

ブログやWikipedia,Folksonomists,その他いろいろなSocial softwareを使う人たちが多くなってきて,「言葉の誤用,乱用」がとても気になる,との指摘からコラムが始まっています。

(確かに,基本的に本のレビューではあるけど,専門家でもない私が,学習理論についてアップしている。理解が間違っていたり,和訳が専門家の中で一般に使われてないような言葉になっているかもしれない。ネットに載せる以上,気をつけてはいるけど,不安定さは残っている。。)

Authority つまり,出典,典拠,(権威)には,「正確性」「客観性」「通用する内容であること」が必要とされる。そして,私たちは,これらにしたがって,その資料が典拠として妥当かどうかを判断している。

その「典拠」が「Techonorati mod (modというのは,統制がとれない群集のこと)」によってめちゃくちゃになろうとしたとき,資料の典拠として,新しいものが,登場した。Wikipediaである。

Wikipediaは,不安定さをもっていて,論文などの参照資料には適してないけど,その認知的な出典としては十分に機能している。Wikipediaの設計,デザイン,管理性そして,そのブランドが,認知的出典もととしての存在をサポートしている。

素人がまちがって,事実ではないことをアップしたり,故意に嘘をアップされたりすることもあるかもしれないけど,その点を非難する前に,これまでの印刷された書籍等の典拠について考えてみる必要がある。現在,出典もととして使われている,辞典や雑誌,新聞などにおいても,正確性,客観性,通用性などを考えた場合,あてはまらない場合もあるのは,経験から分かるだろう。

Wikipediaは,専門家だけでなくいろいろな人が参加できる,まさに,ボトムアップ,協同カテゴライズの申し子とも言える。Wikipediaは,Folksonomyの性質を持ち,Findabilityのよさもあって,ブリタニカに勝利したとも言えるだろう。

ここで,Googleの話になるのだけど,ページランキングという意味で,GoogleがWikipediaなどのFolksonomy,つまり,フリーtaggingの王者とも言えるだろう。その革命は,Multi-Algorithmicにある。
1)Full Text :キーワードマッチング
2)Information Architecture: インターネットリンク構造の解析と手作業によるメタデーター
3)Free Tagging:サイト間のリンクの活用

有名ないたずらの,Googlebombs がある。
グーグルで miserable failure と入力すると,ホワイトハウスのブッシュのページが一番上にランクされてしまったという話である。時折,「authority of the masses 大衆の権威」が,定義を改めてしまうことがある。

詳しい話は,
グーグル「爆弾」 googlebombの解説はこのページで。
http://it.nikkei.co.jp/internet/column/aun_seo.aspx?n=MMIT0j000005022007

最後に,意思決定の錯覚を2つ
1)Anchoring 何かを決めようとしたとき,最初に見つけた情報に影響を受けやすい
2)Confirmation 何かを探すとき,自分の考えをサポートしてくる情報を探す。したがって,対立する情報をさけてしまう。

そして,これらは,グーグルやその他の検索ツール,Wikipediaにも言えることである。
これらの検索結果で,何を学び,誰を信頼し,そして,どのように決定するか影響を受けているのである。

もちろん,私たちは,この,自分の資料を探し,自分のニュースを探すことを可能にした,これらのオープンメディアのパワーを認めなければならない。今日の,グーグルエコノミーにおいて,私たちは,私たち自身が「典拠,権威」になりつつある。

Google economy グーグルエコノミー,つまり,資料の価値は,(例えばWebページ,でもそれだけに関わらず,すべての資料において)他の資料からどれくらい参照されているか,リンクされているかで決定されるだろうというコンセプト。

(2005年の記事で,ちょっと古いけど,おもしろかった)



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