5/01/2009

第8話 マルチメディア教材 デザインの原則

ここらか,Chapter2 Multimedia Instructional Messages です。
提示教材についてが述べられています。

Multimedhia Instructional Messages とは,
学習を促進させるための,言葉(音声によるものも含みます)と絵(動画も含みます)を使ったコミュニケ-ションと定義しています。

本では,文章と図で説明されているもの,コンピュータだったら,ナレーションやアニメーションをつかって説明しているもの,などです。

この定義は,次の3つのパートからなってます。

 message : 
  Multimedia Instructional Messages は,教師と学習者の両方によるコミュニケーション
  またはプレゼンテーションである,という考えを示します。

 instructional :
  Multimedia Instructional Messages の目的が,学習者自身の学習を進めることにある
  という考えを示しています。

 multimedia :
  Multimedia Instructional Messages が 言葉と絵 の両方を含むことを示しています。


ここでは,雷の学習の例によって,本をベースにしたマルチメディア教材と,コンピュータをベースにしたマルチメディア教材が,どのように構築され,学習結果を,「retention test 記憶テスト」と「trabsfer test 理解度テスト」によって,評価するかについて,述べられています。

雷の仕組みについての学習を例にあげながら,説明をします。
百科事典から,500単語程度の言葉により説明文を学習者に提示した場合,読んですぐあとの記憶テストおよび理解度テストの両方において,いい学習結果は得られませんでした。
そこで,生徒の理解度をあげるためには,別の方法が必要だということです。

ここでは,言葉による形態の限界が示されていて,視覚的な形態の提示に可能性があるということですね。それでは,言葉での説明と絵による説明をどのような組み合わせが,学習を広げるもっとも良い方法なのでしょうか

つまり,関連した内容の図と説明文が近くに提示されている,ということです。

この図は,Levin and Mayer の 一般的なデザインの原則「design principles」を適用しています。
デザインの原則とは,以下の7つです。

concentrated 集約させる
説明文もイラストも,重要点にしぼって,はっきりと示すこと

concise 簡潔に
余分な記述は最小限に,そして,余分な描写(例えば,必要以上の詳細な絵や,色)も最小限にすること。

correspondent 関連性
関連したイラストと説明文は,同じページの近くに配置

concrete 明確に 
説明文とイラストは見てすぐ分かるように提示すること

coherent 理路整然としている 
提示教材は,構造が分かりやすくなっていること。つまり,原因と結果のつながりが分かりやすく提示されていること

comprehensible 分かりやすく
学習者にとってなじみのある方法で提示すること。つまり,学習者のこれまでの経験と関連をつけやすい方法で提示すること。

codable
学習者が記憶にとどめやすくなるように,重要な用語や,イラストで示さされている重要な性質などを,頻繁に何度も使うようにする。

以上が,一般的なデザインの原則です。

(あらためて,整理されたものを読むと,分かってるつもりですが,頭の中に整理されていくものですねぇ。次に教材を作成するときには,この7つを思い出しながら,考えてみよう!!と思いました)

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内容は,これから始まる春のセメスターで使う本の中のひとつの, Multimedia Learning の本を読んでの概要と感想を,読書記録?として書いています。著者は,Richard E.Mayerで,カリフォルニア大学サンタバーバラ校の心理学の教授です

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