2/23/2009

第7話 Active Learning とは

前回の,Meaningful Learning (必要な言葉などを覚え,自分のものとして理解し,そして新しい状況などにおいて,いろいろな解決方法へとつなげられるようになる学習のこと。)
を得るために必要なものについて考えを進めていくわけですが,ここで,Active Learningについて考えます。

著者の Mayer教授の定義として,

Active Learning とは,
学習の中で行う活動の結果,Meaningful Learningの学習結果を得るような学習活動のこと

としています。

それでは,その Activeな学習とは,学習者の「行動」がアクティブであるものを意味するのでしょうか?

例えば,学習者が,コンピュータのチュートリアル学習を使って学習しているとします。
ある学習者は,コンピュータからの質問に対して,キーボード入力によって回答し,コンピュータはその回答への正誤情報を提示しながら,学習を進めていました。
その行動は,一見アクティブな状況とも捕らえることができますが,その学習者の頭の中で,認知的にアクティブかどうかは別の問題です。

対照的に,ある学習者はコンピュータから提示される説明や,シミュレーションを見ながら,学習を進めているとしましょう。一見,情報を読んでいる(見ている)だけで,行動として,アクティブではない状況です。でも,その学習者は,提示されている情報から,頭の中で試行錯誤しつつ,原因と結果などを考えながら,提示情報から不足している部分は,すでに学習し持っている知識などを使いながら,学習を進めているとしましょう。これは,頭の中では活発に学習活動が行われている状況です。

つまり,アクティブな活動とは,学習中の学習者の「認知的な活動」を指しています。

meaningful learningな学習結果を得る方法は,体験的な学習だと考えることが多いでしょう。
インタラクティブ性の高いマルチメディアプログラムを考えるかもしれません。しかし,コンピュータゲームに見られるように,活発な認知的な学習を推し進めないことも多いのです。そして,ただの提示教材は,学習者は受身の学習をしていると考えることも多いでしょう。

ここでのポイントは,うまくデザインされたマルチメディアによる提示教材は,活発な認知的な学習を進めることができるということです。
つまり,meaningful learning は,いかに,認知的に活発な学習を作るか,ということです。

この本では,特にどのような提示教材が,認知的に活発な学習へ導くか,という点に注目していきます。



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内容は,Multimedia Learning の本を読んでの概要と感想を,読書記録?として書いています。著者は,Richard E.Mayerで,カリフォルニア大学サンタバーバラ校の心理学の教授です

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2/19/2009

第6話 3つの学習結果

マルチメディアを使った学習結果として,

 1 no learning
 2 rote learning
 3 meaningful learning

の3つの状態が考えられます。

その前に,主に考えられる,2つの学習目標

1 覚えること
2 理解すること

について,整理しておきましょう。

「覚えること」は,提示教材の再生と認識だから,「retantion test 記憶力テスト」で評価することができます。

  暗唱,正しい答えを選ぶマルチプル選択型の質問,True-False型質問 
  などが,Retention Test で,「学習の量を問うもの」となります。つまり,どれだけたくさん
  覚えたかということです。

「理解すること」は,頭の中に論理や説明などが理路整然と整理され,しっかりと自分のものになっている状態なので,(construct a coherent mental representation)提示された内容を,新しい状況の中で,使える能力に反映されることになります。したがって,「transfer test」によって,評価されます。

  エッセイテスト(問題に対する解決方法を問うたもの)などがあります。
  「学習の質を問うもの」となります。つまり,どのように学習したことを使えるか
  ということです。

もう,Mayer教授の方向が見えてきましたね。この本では,2の「理解すること」が目標となります。

学習結果の話にもどりましょう。

1の no learning は,つまり,retentionテストでも transferテストの両方で低い結果だったということです。質においても,量においても,学習がなされなかったということです。

2の rote learning (機械的な学習)は,暗記はできたけど,覚えたものが新しい状況に適応できる状態になってない,つまり,学習者自身のものになってない状態です。

3の meaningful learning (意味のある学習?)理想的な学習結果ですね。必要な言葉も覚え,その知識が理解となり,新しい状況において,クリエイティブな解決方法を考えることができた,という状態です。

この本での目標は,3の meaningful learning の学習結果を得るために,マルチメディアのデザインにおいて,必要な機能や特性を模索することです。
  
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2/18/2009

第5話 マルチメディアラーニングの2つのメタファー

今回は,マルチメディアラーニングの2つのメタファー(Metaphor:分かりやすく表現すると,こんな感じのものかなぁとか, 考え方,とらえかた という意味)のお話です。

学習をデザインするデザイナーの学習のコンセプトによって,マルチメディアの使い方が変わってきます。そこで,2つの学習への考え方(メタファー)が提示されています。

1 Multimedia learning as information aquisition
  情報を獲得としての,マルチメディアを使った学習
  この場合,マルチメディアは,学習者へ,情報を運ぶシステムという解釈になります。

2 Multimedia learning as knowledge construction
  知識の構築としての,マルチメディアを使った学習
  この場合,マルチメディアは,認知的な理解の手助けをするものという解釈ができるでしょう。

それでは,1の as Infromation Aquisition から,具体的に見ていきましょう。

<<Multimedia Learning as Information Aquisition>>

情報獲得の考え方によると,学習は,「学習者の記憶に情報を加えること」が含まれます。この考え方は,次の4つの前提を伴います。

1 the nature of What is learned
  ここでの前提は,学習は,情報に基づくと言うこと。
  ここで言う,情報は,ある場所からある場所へと移動が可能なもの と考えます。
  つまり,コンピュータスクリーンから学習者の頭脳へ という感じです。

2 the nature of the Learner
  ここでの前提は,学習者の仕事とは何かということです。学習者のすることは,情報を受け取ること。したがって,学習者は外からの情報を受け取り,記憶するという,受身の状態ということになります。

3 the nature of the Teacher
  教師,(ここでは,学習デザイナーと考えてください。)の仕事の前提は,情報を提示すること。

4 the nature of the Goals of Multimedia Presentations
  最後に,マルチメディア教材の提示の目標の前提についてです。
  ここでは,できるだけ効率よく情報を運ぶということです。この考え方に従うと,ここでのメタファーは,「マルチメディアは効率よく学習者に情報を運ぶ乗り物」ということができます。

以上を踏まえると,情報獲得のメタファーは,「empty vessel view 空っぽの入れ物」と呼ばれることがあります。なぜなら,学習者の頭脳はまるで,空っぽの容器で,その空っぽの容器は,教師によって,情報を注ぎ込みいっぱいにする必要があるもの,と見ることができるからです。

(この考え方は,別の本でも触れられていました。その本は,ブラジルの教育学者による,「Banking Education」を書いたものです。痛烈に詰め込み教育について批判した内容でしたが,その中にも,「empty vessel」という言葉が出てきました。)

または,「transmission view」とも呼ばれています。なぜなら,学習者が情報を受け止めるために,教師が情報を伝達するからです。

さらに,「commodity view」とも呼ばれます。なぜなら,情報がまるで商品のように,ひとつの場所から別の場所へ移動が可能なものになっているからです。

もし,学習の目標が,ひとつひとつバラバラの情報を覚えるということならば,学習を上に書いたような意味での情報獲得の考え方で間違ってはないでしょう。しかし,学習の目標が,提示教材の理解を深めることであるなら,この学習獲得の考え方は不適切となります。

人が提示された教材を「理解」しようとするなら,人は気をつけて一つ一つの言葉をストックするテープレコーダーではなく,むしろ,提示された教材の意味に注目し,彼らがすでに持っている知識を踏まえ,その教材を解釈することにあるます。

<<Multimedia Learning as Knowledge Construction>>

対照的な考え方になります。この Multimedia Learning as Knowledge Construction の考え方に従うと,マルチメディア学習は,提示教材から自分自身の中で理にかなった考えを作ろうとする,
「sense-making activity  あ,そうかぁ,分かった そうなんだ! 活動」
の場と捕らえることができるでしょう。

「情報」と違って,「知識」というのは,学習者自身が構築していくものなので,情報のように,ある学習者の頭脳から別の学習者の頭脳へ運ぶことができません。

だから,2人の学習者は同じ提示教材から違う Outcome 学習結果を得ることもあるでしょう。

学習者の仕事は,提示教材を理解することなので,学習者は「active sense maker」であり,マルチメディア教材を理解し,整理し,理論的に自分のものとして組み込んでいくでしょう。

そうなると,教師の仕事は,その学習者の活動を支援することにあります。したがって,学習者が認知的な処理をサポートするのに必要なガイダンスを提示することとなります。
学習は,教師の学習が効果的により深くできるように支援を得ながら,学習者に「責任」があると言えます。

最後にマルチメディア教材の提示目標は,ただ単に情報を提示することだけでなく,提示された教材をどのように処理し理解するかのガイダンスの提供となります。

まとめると,Guiding Metaphor 学習を導くメタファーは,
「helpful communicator」となるでしょう。つまり,「マルチメディアは理解をを導くもの」「知識の構築を支援するもの」と捕らえることができます。

この本では,特に2番目の Multimedia Learning as Knowledge Construction の考え方を推し進め,
「学習は暗唱するものから,探して使うものへ変化している」というコンセプトを反映していきます。

次は,3つのマルチメディア学習から得られるもの Learning Outcome についてとなります。


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著者は,Richard E.Mayerで,カリフォルニア大学サンタバーバラ校の心理学の教授です



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2/16/2009

第4話 学習者中心のアプローチ

前回の「失敗」の原因としてあげられた,Technology-Centeredアプローチへの著者の回答としてのアプローチです。
私は,このチャプターだけでは十分理解できてないので,これから後のチャプターで,理解が深まることを期待しながら,読んでいるところです。それでは,始めます。

Learner-Centeredアプローチ,学習者中心のアプローチは,まず最初に,人間の頭脳がどのような働くのか,「人間の学習を広げるためにどのようにマルチメディアが適応できるのか」との問いかけから始まります。人間の認知を助けるためにマルチメディアテクノロジーを使うことに焦点が当てられます。その研究は,人間の情報処理のシステムとデザインの特徴との関連性が関心事です。

ここで,Norman(1993)の主張をとりあげています。

「これまで,私たちがテクノロジーに奉仕してきた。でも,もう,機械中心の考え方ではなく,人間中心の考え方に変える必要があるんだ。テクノロジーが私たちに奉仕すべきなんだ」そして
「テクノロジーは私たちをもっとスマートにすることができるんだ。つまり,テクノロジーは私たちの認知の能力を広げることができるんだよ。」
Normanは,頭脳(mind)を助ける道具のことを,Cognitive Artifacts と読んでいます。
人間の思考や行動を促進させる目的で人間によって作り出されたものを,「artifact」と考える。
その中には,紙や鉛筆といった物理的なものと同様に,言語や算術のうようなメンタル的なものも含める。
そして,20世紀の最も重要な「Cognitive Artifact」は,コンピュータテクノロジーである。

Normanの学習者中心のデザインへのアプローチは,
「テクノロジーは,人間の能力を補足し,我々の苦手とする活動を助け,そして我々の本質的にあった活動を発展させる手助けをするべきである。」
Normanが作った”Things that make us smart”の中に,人間の認知をより促進するためのマルチメディアテクノロジーのデザインを見ることができます。

彼の(Norman)コンピュータテクノロジーのレビューの中に,Landauer(1995)が(多くの研究者も同様な主張をしていますよね)コンピュータおよび情報化革命は,かつての産業革命と同じくらい社会的に重要であると広く言われている。さらに,彼は,コンピュータテクノロジーの2つの段階について述べています。

 automation と augmentation

automationの段階とは,コンピュータをある仕事において,製造過程におけるロボットから,医療で使われるX線写真撮影やMRIなど,人間の代わりにに使っている段階です。

次の augmentation(増大,拡大,ふくらます) の段階は,
さまざまな認知的に複雑な人間のパフォーマンスをより大きくしていくために応用していく段階です。
コンピュータをアシスタントとして,そしてパワフルな道具としてデザインしています。

人間の meaningful human learning 意味のある学習を促進するための,マルチメディアの学習環境をデザインすることは,コンピュータを,augmentationの段階で使う,ひとつの例である。

次は,マルチメディアラーニングの2つのメタファー(Metaphor 分かりやすく表現すると,こんな感じのものかなぁ という意味)のお話です。

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第3話 マルチメディアをデザインの2つの視点 その1

マルチメディアで提示される教材は,とても強力な学習テクノロジーです。つまり,人間の学習を大きく広げるためのテクノロジーなのです。マルチメディアの研究の実践的なゴールはマルチメディアでの教材提示のデザインの原則を考案することにあり,そこで,マルチメディアを使った教材提示への2つのアプローチを区別して考えることは,この目標にとても有効であると考えています。

今回のテーマは,デザインへの2つのアプローチです。

アプローチとして,次の2つの視点でとらえられています。

1 Technology-Centered Approach
2 Learner-Centered Approach

それでは,1のTechnology-Centered Approachから,はじめます。このセクションでは,これまで,どうして,いまいちマルチメディアを使ったツールが教育の中で,有効に活用されてこなかったのかという著者の視点が述べられています。

Technology-Centered Approach は,まず,マルチメディアの機能的な性能から出発します。つまり,

「マルチメディアで提示する教材をデザインする際に,どのようにこれらの性能を利用することができるだろうか」

焦点が,最先端を行くマルチメディアテクノロジーにあてられた考え方なので,Technology-Centered のデザイナーは,おそらく,まさに大きくなっている無線でのアクセスやWWW,仮想空間での双方向のマルチメディア表現の構築などの「コミュニケーションテクノロジー」にマルチメディアを(絵と言葉を含めた提示される教材)統合させる方法に焦点をあてているでしょう。

著者は,このアプローチを「まちがった」アプローチだとしています。

その理由を,20世紀の教育工学を見ていくことで,説明をしています。
Technology-Centeredでのアプローチは,これまで,一般的に,教育の中での発展が続かなかったと。

例1)Motion Picture(動画)
20世紀はじめに発明され,その当時,このビジュアルテクノロジーは,教育を改善するだろうと大きな期待が寄せられました。

1922年 トーマスエジソンも,教育利用について次のように述べていました

「the Motion Pictureは,我々の教育システムを革命的に変えるものになるだろう。そして,それは,数年のうちに,全部とは言わないが,大部分で,教科書にとって代わるだろう」
「人類のすべての分野の知識(knowledge)を動画によって教えることが可能だ」と。

しかしながら,「ほとんどの教師は,教室でめったにフィルムを使うことはなかった」

例2)Radio
1932年 Benjamin Darrow オハイオ航空学校の創始者 が,ラジオについてこう述べています。
「ラジオは,世界を教室に運んでくれる。素晴らしい教師による授業,素晴らしい指導者の考えなどが,至る所で使えるんだ。」
1942年には,彼の同僚も同じように言っています。
「ラジオ受信機は,教室では,黒板と同じように,当たり前のものになるだろう。そして,ラジオを使った授業が,学校の中に入っていくに違いない」と。

私たちが,先を急いで,学校や家庭をインターネット上の教育コンテンツへ繋いでいきながら,ラジオに起こった同じような動きに何が起こったかの認識するのは,謙虚な考えではないかと考えています。

「ラジオは,教育現場のfull-fledged member(十分に一人前のメンバー)としては,受け入れられてはこなかった」

例3)テレビの教育利用
テレビは,動画と世界中をカバーするラジオが一緒になった,テクノロジー である。

1950年代までに,教育テレビは「Continental classroom(大陸教室?)」を作る方法として,褒めちぎられた。「すぐれた教育を低予算で」アクセスできるものとして。
しかしながら,論評は「教師は,テレビをめったに授業で使ってない」です。

最後の例です

例4)コンピュータ
コンピュータは,フィルム,ラジオ,テレビとは大きく違ってはいるけど,教育を改革するものという大きな期待を寄せられてきたという点で,同じです。

1960年代,チュータリングマシンは,教師の代わりになる と。

1970年代,莫大な投資にもかかわらず,Computer Assisted Instruction PLATOとTICCITの評価は,「これまでの教師主導の授業より良い学習を作り出すのに失敗した」となりました。

これらの4つの偉大な教育工学の歴史から,学べることとは何でしょうか?

まず,これら4つとも同じ道をたどってきているということです。
1 どのように教育を改革するのかという,大きな期待からはじまったこと
2 初期において,急いで最先端の技術を学校で使おうとした
3 20年30年のうちに,その期待は満たされてないことが明らかになった

視覚的な世界に広がる要素を持ったテクノロジーなのに,何が悪かったのでしょうか?

著者は,その理由を,Technology-Centered アプローチにあるとしています。

「人間の学習の必要性に合わせるためにテクノロジーを採用するかわりに,人間が最先端の技術に合わせさせられてきたからである。」
「推進の力が,人間の認知を促進させるというよりも,テクノロジーの力を使うことにあったからではないか?」
「テクノロジーの助けを借りて,人々の学習を助けるというよりも,人々に最新の技術へのアクセスすることに焦点が当てられてきたからだ。」

私たちは,同じような,「過大な期待」「大規模な実施」「失望」を繰り返そうとしてはいないだろうか?私たちのゴールが,テクノロジーへのアクセスと提供することにあるとしたら,私たちは,100年の失敗を伴ったTechnology-Centered アプローチをしようとしているのです。

次は,この失敗を繰り返さないためのアプローチとして,Learner-Centeredアプローチを著者が提案しています。


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著者は,Richard E.Mayerで,
カリフォルニア大学サンタバーバラ校の心理学の教授です

2/11/2009

第2話 マルチメディアメッセージの3つの視点

今回のテーマは 3つの視点です。マルチメディアメッセージ の視点として3つを考えることができます。
1.The Delivery Media View  
  内容を伝えるものとしての視点
2.The presentation Modes View  
  内容を表現する方法としての視点
3.The Sensory Modalities View  
  感覚としての視点です。

もう少し具体的に言うと,
1.の The Delivery Media View で,Multimediaを考えると,Multimedia は,2つまたはそれ以上の伝達手段を使って,題材を提示すること となります。

つまり,情報を伝達する物理的なシステムに焦点が当てられることになります。

2.の The presentation Modes View で Multimedia を考えると,Multimedia は,2つまたはそれ以上の提示モードを使って,題材を提示すること となります。

つまり,題材が提示される方法に焦点を当てた視点です。例えば,コンピュータを使ったMultimedia とは, 題材は,「言葉」 スクリーン上のテキストまたはナレーション,「絵」は スクリーン上のイラストや写真,そしてアニメーションとなります。

講義の場合のMultimediaは,題材は,「言葉」 講師の話す言葉として,「絵」  プロジェクターなどで提示された図表やビデオなどが考えられます。さらに,テキストブックのなかでのMultimedia とは,「言葉」 印字された文字「絵」  図表 などとなるでしょう。

3.の The Sensory Modalities View で 
Multimedia を考えると,Multimedia は, 2つまたはそれ以上の五感で 題材を受け取ること となります。

例えば,コンピュータを使った Multimedia とは, 題材は。。。アニメーションは,視覚で,ナレーションは,聴覚で受け取ることになります。講義では,講義者の声は,聴覚で,プロジェクトのスライドからの情報は 視覚で となりますね。

そして,テキストブックだと,言葉も絵も両方とも 視覚 から となるので,マルチメディアとはならないことになります。さて,以上の3つの視点ですが,2と3に関しては,学習者中心の視点となり,著者の考える中心となっていきます。

両方とも認知理論を基に論じることになるわけです。つまり,情報を得る方法および情報をキャッチする方法として,人間は2つの「channel」を持っているということです。

言葉から情報を得る場合と絵から得る場合 そして,視覚で受け取る場合と聴覚で受け取る場合ということです。次は,2つのマルチメディアのデザインの視点です。

これまで,メディアの教育利用がいまいち受け入れられてこなかった理由に触れられていました。

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内容は,これから始まる春のセメスターで使う本の中のひとつの, Multimedia Learning の本を読んでの概要と感想を,読書記録?として書いています。著者は,Richard E.Mayerで,カリフォルニア大学サンタバーバラ校の心理学の教授です

2/09/2009

Quotation of the Day Mark Twain

Twenty years from now you will be more disappointed by the things that you didn't do than by the ones you did do. So throw off the bowlines. Sail away from the safe harbor. Catch the trade winds in your sails. Explore. Dream. Discover.

Mark Twain  英文ですが。。。

Quotation of the Day 
(右サイドにある,ブログツールで表示されているコーナー)
から,ときどき,紹介したいと思います。。。
いつもの,学習理論のお話ではないけど,番外編。。ということで,あちこちの気に入った英文サイトから,メモ代わりで,もし,よかったら,共有できたら,,ということで,やりたいと思ってます。。。

最初は,Mark Twain.

ニューヨークのブロードウェイのミュージカルで,
Is He Dead ? 
というタイトルの,コメディがありました。
友人と何気に見に行った作品でしたが,
2列目の,真ん中という,超度迫力の席で見ました。

この作品は,Mark Twain が作ったものですが,
フランスの画家のミレーのお話で,
当時は,あまりにもミレーをおもしろおかしく書いているものだから,
上映禁止になった作品です。









ということもあって,最初のQuotationが,Mark Twain であることは,
何かの縁かも!!! と思います。


ではでは,,,簡単に訳してみます。

Twenty years from now you will be more disappointed
by the things that you didn't do than
by the ones you did do.
So throw off the bowlines.
Sail away from the safe harbor.
Catch the trade winds in your sails.
Explore. Dream. Discover.

今から20年後,あなたは,あなたがやっちまった!!ことよりも,
やらないでいたことで,もっと落ち込むことでしょう。
だから,
もやい結びをはずそう!
平穏な港から,漕ぎ出してみようよ!!!
あなたの帆で,風を受け止めて。
探求しよう!!
夢を追いかけてみよう!!
そして,
新しい何かをみつけよう!!


............................
※ もやい結びとは:「結びの王様」といわれるほど簡単で代表的な輪結び。強固で安全、確実な結び方
.............................

40歳を過ぎて,これから10年を考えることが
ときどきあります。考えること,夢に描くこと。。。。
できない理由を考えるより,できることを少しだけやり始めることって,
大事だなって思うのです。

だから,今日のMark TwainのQuotationに,私も同感!!です。

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第1話 マルチメディアラーニングの定義

マルチメディア(Multimedia)っていう言葉はいろいろなところで耳にするし,誰でも普通に使っています。これから話を進める前に,一番根本になっている言葉,マルチメディア の定義についてが,今回のテーマです。

あ,もちろん,この本の中での定義がもっとも正しい!!というわけではありません。Mayer教授が定義し,これから最も多く出てくる言葉 マルチメディア という言葉は,こういった意味で使ってますよ!!ということです。でも,漠然としたものがクリアになってきました。

本題に入ります。

マルチメディア:言葉と絵の両方を使った教材を提示するもの としています。

もう少し具体的にしてみます。このMultimedia という言葉は,名詞または形容詞の両方で使うことがあります。

<名詞で使う場合>

テクノロジーそのものを指しています。この場合,Multimedia Technology ということになります。つまり,ビジュアルと言葉による教材を提示するのに使われるデバイスのこと となります。

<形容詞で使う場合>

次の3つの使われ方になります。

1.Multimedia Learning
  言葉と絵から学習すること

2.Multimedia message or multimedia presentation
  言葉と絵を含む提示のこと

3.Multimedia instrautional message or multimedia instructional presentaion
(or multimedia instruction)
  学習を促進させるための,言葉と絵を含んだ提示のこと

となります。そして,この本は主に1のMultimedia Learning を取り上げていくことになります。

最後に,「言葉」とは,話し言葉と書き言葉の両方のこと。「絵」とは,static graphic つまりイラストや写真それから,dynamic graphic つまりアニメーションやビデオを含んでいます。


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内容は,Multimedia Learning の本を読んでの概要と感想を,読書記録?として書いています。著者は,Richard E.Mayerで,カリフォルニア大学サンタバーバラ校の心理学の教授です



..........

マルチメディアラーニングを読む その1

この本は,初版が2001年で,2007年の9回目の改訂版です。
著者は,Richard E.Mayerで,カリフォルニア大学サンタバーバラ校の心理学の教授です。2000年に教育心理学の分野で,E.L.Thorndike Awardを受賞したそうです。




春のセメスターで使った,指定教科書の中の1冊で,200ページちょっとの本です。読んでみると他の指定教科書より読みやすくて,あまり辞書をひかなくても読み進めることができます。


何気なく使っていたマルチメディアという言葉や,マルチメディアラーニングという言葉の定義から始まりますが,前提がゆるゆるしている状態で,考えていたりしたんだなぁと思いました。まだ,読み始めたばかりですが,なるべく,自分の理解を深め,頭を整理するために,書いていこうかなと思います。。いつまで続くかわからないけど,とりあえず,スタートです。

2/08/2009

このブログは

去年の夏まで,ニューヨーク大学の教育部の大学院で,
Educational Communication and Technology
を勉強していました。
1年間の留学でしたが,2人の子ども(現在,中2と高3)と夫を
置いて,沖縄県の奨学金をもらって,勉強してきました。
現在は公立高校で数学の教師をしています。

高3の娘が,大学に合格したので,
英語での勉強を忘れにうちに,とても興味を感じた
学習理論,How people learn? についての論文や本を
読み始めようと思い,ブログを始めることに。

この1年は,少しずつ,このブログが軌道にのるように
頑張ってみようと思います。

よろしくお願いします。

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