2/23/2009

第7話 Active Learning とは

前回の,Meaningful Learning (必要な言葉などを覚え,自分のものとして理解し,そして新しい状況などにおいて,いろいろな解決方法へとつなげられるようになる学習のこと。)
を得るために必要なものについて考えを進めていくわけですが,ここで,Active Learningについて考えます。

著者の Mayer教授の定義として,

Active Learning とは,
学習の中で行う活動の結果,Meaningful Learningの学習結果を得るような学習活動のこと

としています。

それでは,その Activeな学習とは,学習者の「行動」がアクティブであるものを意味するのでしょうか?

例えば,学習者が,コンピュータのチュートリアル学習を使って学習しているとします。
ある学習者は,コンピュータからの質問に対して,キーボード入力によって回答し,コンピュータはその回答への正誤情報を提示しながら,学習を進めていました。
その行動は,一見アクティブな状況とも捕らえることができますが,その学習者の頭の中で,認知的にアクティブかどうかは別の問題です。

対照的に,ある学習者はコンピュータから提示される説明や,シミュレーションを見ながら,学習を進めているとしましょう。一見,情報を読んでいる(見ている)だけで,行動として,アクティブではない状況です。でも,その学習者は,提示されている情報から,頭の中で試行錯誤しつつ,原因と結果などを考えながら,提示情報から不足している部分は,すでに学習し持っている知識などを使いながら,学習を進めているとしましょう。これは,頭の中では活発に学習活動が行われている状況です。

つまり,アクティブな活動とは,学習中の学習者の「認知的な活動」を指しています。

meaningful learningな学習結果を得る方法は,体験的な学習だと考えることが多いでしょう。
インタラクティブ性の高いマルチメディアプログラムを考えるかもしれません。しかし,コンピュータゲームに見られるように,活発な認知的な学習を推し進めないことも多いのです。そして,ただの提示教材は,学習者は受身の学習をしていると考えることも多いでしょう。

ここでのポイントは,うまくデザインされたマルチメディアによる提示教材は,活発な認知的な学習を進めることができるということです。
つまり,meaningful learning は,いかに,認知的に活発な学習を作るか,ということです。

この本では,特にどのような提示教材が,認知的に活発な学習へ導くか,という点に注目していきます。



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内容は,Multimedia Learning の本を読んでの概要と感想を,読書記録?として書いています。著者は,Richard E.Mayerで,カリフォルニア大学サンタバーバラ校の心理学の教授です

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