2/19/2009

第6話 3つの学習結果

マルチメディアを使った学習結果として,

 1 no learning
 2 rote learning
 3 meaningful learning

の3つの状態が考えられます。

その前に,主に考えられる,2つの学習目標

1 覚えること
2 理解すること

について,整理しておきましょう。

「覚えること」は,提示教材の再生と認識だから,「retantion test 記憶力テスト」で評価することができます。

  暗唱,正しい答えを選ぶマルチプル選択型の質問,True-False型質問 
  などが,Retention Test で,「学習の量を問うもの」となります。つまり,どれだけたくさん
  覚えたかということです。

「理解すること」は,頭の中に論理や説明などが理路整然と整理され,しっかりと自分のものになっている状態なので,(construct a coherent mental representation)提示された内容を,新しい状況の中で,使える能力に反映されることになります。したがって,「transfer test」によって,評価されます。

  エッセイテスト(問題に対する解決方法を問うたもの)などがあります。
  「学習の質を問うもの」となります。つまり,どのように学習したことを使えるか
  ということです。

もう,Mayer教授の方向が見えてきましたね。この本では,2の「理解すること」が目標となります。

学習結果の話にもどりましょう。

1の no learning は,つまり,retentionテストでも transferテストの両方で低い結果だったということです。質においても,量においても,学習がなされなかったということです。

2の rote learning (機械的な学習)は,暗記はできたけど,覚えたものが新しい状況に適応できる状態になってない,つまり,学習者自身のものになってない状態です。

3の meaningful learning (意味のある学習?)理想的な学習結果ですね。必要な言葉も覚え,その知識が理解となり,新しい状況において,クリエイティブな解決方法を考えることができた,という状態です。

この本での目標は,3の meaningful learning の学習結果を得るために,マルチメディアのデザインにおいて,必要な機能や特性を模索することです。
  
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内容は,Multimedia Learning の本を読んでの概要と感想を,読書記録?として書いています。著者は,Richard E.Mayerで,カリフォルニア大学サンタバーバラ校の心理学の教授です

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