2/16/2009

第4話 学習者中心のアプローチ

前回の「失敗」の原因としてあげられた,Technology-Centeredアプローチへの著者の回答としてのアプローチです。
私は,このチャプターだけでは十分理解できてないので,これから後のチャプターで,理解が深まることを期待しながら,読んでいるところです。それでは,始めます。

Learner-Centeredアプローチ,学習者中心のアプローチは,まず最初に,人間の頭脳がどのような働くのか,「人間の学習を広げるためにどのようにマルチメディアが適応できるのか」との問いかけから始まります。人間の認知を助けるためにマルチメディアテクノロジーを使うことに焦点が当てられます。その研究は,人間の情報処理のシステムとデザインの特徴との関連性が関心事です。

ここで,Norman(1993)の主張をとりあげています。

「これまで,私たちがテクノロジーに奉仕してきた。でも,もう,機械中心の考え方ではなく,人間中心の考え方に変える必要があるんだ。テクノロジーが私たちに奉仕すべきなんだ」そして
「テクノロジーは私たちをもっとスマートにすることができるんだ。つまり,テクノロジーは私たちの認知の能力を広げることができるんだよ。」
Normanは,頭脳(mind)を助ける道具のことを,Cognitive Artifacts と読んでいます。
人間の思考や行動を促進させる目的で人間によって作り出されたものを,「artifact」と考える。
その中には,紙や鉛筆といった物理的なものと同様に,言語や算術のうようなメンタル的なものも含める。
そして,20世紀の最も重要な「Cognitive Artifact」は,コンピュータテクノロジーである。

Normanの学習者中心のデザインへのアプローチは,
「テクノロジーは,人間の能力を補足し,我々の苦手とする活動を助け,そして我々の本質的にあった活動を発展させる手助けをするべきである。」
Normanが作った”Things that make us smart”の中に,人間の認知をより促進するためのマルチメディアテクノロジーのデザインを見ることができます。

彼の(Norman)コンピュータテクノロジーのレビューの中に,Landauer(1995)が(多くの研究者も同様な主張をしていますよね)コンピュータおよび情報化革命は,かつての産業革命と同じくらい社会的に重要であると広く言われている。さらに,彼は,コンピュータテクノロジーの2つの段階について述べています。

 automation と augmentation

automationの段階とは,コンピュータをある仕事において,製造過程におけるロボットから,医療で使われるX線写真撮影やMRIなど,人間の代わりにに使っている段階です。

次の augmentation(増大,拡大,ふくらます) の段階は,
さまざまな認知的に複雑な人間のパフォーマンスをより大きくしていくために応用していく段階です。
コンピュータをアシスタントとして,そしてパワフルな道具としてデザインしています。

人間の meaningful human learning 意味のある学習を促進するための,マルチメディアの学習環境をデザインすることは,コンピュータを,augmentationの段階で使う,ひとつの例である。

次は,マルチメディアラーニングの2つのメタファー(Metaphor 分かりやすく表現すると,こんな感じのものかなぁ という意味)のお話です。

********************
内容は,Multimedia Learning の本を読んでの概要と感想を,読書記録?として書いています。著者は,Richard E.Mayerで,カリフォルニア大学サンタバーバラ校の心理学の教授です




ポチッとクリックもお願いします
   ↓
にほんブログ村 科学ブログ 脳科学へ
にほんブログ村

にほんブログ村 教育ブログ 教育論・教育問題へ
にほんブログ村

0 コメント: